メモと編集の分離

手帳でデータベースをつくろうという試みは、基本的に失敗すると考えていい。というのは、メモをする際に求められることと、後でそれを利用する際に必要になることとが原理的に矛盾しており、個々の工夫で克服できるようなことではないからだ。
前者で必要なのは、何も考えずに書けることだ。他のメモとの関係性だとか、以前に何を書いたかなどは一切無視するべきであり、時系列で書くことが望ましい。後者で必要なのは、カテゴライズであり、時系列とはまた別の秩序を必要とする。この両者は本質的に矛盾するのだ。だから、この二つは物理的に分けた方がいい。そこで、まずアナログツールによって時系列順にメモをとってから、あとでそれをデータ化する、という段階的な処理をしているのである。
手帳が一冊程度であれば、目次をつける等のちょっとした工夫によって、この問題は何とかなるかもしれない。しかし、時間の経過とともに扱うべきメモは増大していく。だから、この手の試みは、必ずどこかで破綻することになるのだ。

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